2012年03月09日

村山由佳著『放蕩記』


村山由佳さんが書いた『放蕩記』を読んだ。
いままでこの著者にはあまり関心がなかった。『天使の卵』だったか、書店で手にとったことがあり、ぱらっと立ち読みしたが、この人の小説はこの先も読むことがないだろうと思っていた。


でも、『放蕩記』、読んでみると、引き込まれるように読み終えた。
これもまた母に支配される娘の話だ。自伝的長編小説ということだが、かなりキツイ親子関係が見てとれる。
母親は自分の思うまま、娘も夫も支配し、家庭のなかで王様になる。自分の教育方針を盾に、厳しずぎる躾をし、お小遣いをあげない。娘を認めない。母親に気に入られたい一心で、娘は過剰に親に適応していくが、思春期以降は母親に隠れて「放蕩」する。ようやく娘が母親を受け容れられたのは、母親が認知症になってしまってから。この辺り、佐野洋子の母との確執を思い出した。というか、母と娘の葛藤は、どこにでもある、誰にでもでも起きる問題で、家庭という閉じた場所で起きるために、子どもへの影響が大きく、娘はその思いを生涯引きずっていくのかもしれない。

ついでに、『シックマザー~心を病んだ母親とその子どもたち』岡田尊司著も読んだ。こちらはもっとはっきりした「毒親」についての心理学者の考察という感じだ。精神的に病んでいる母親に育てられたら、子どもたちにどのような影響があるか、様々な事例を挙げて検証している。
読んで感じたのは、もともと「シック」な「マザー」もいただろうけれど、「マザー」になって母親規範に縛られることで「シック」になってしまった人も多いのではないかということ。この著者にはそういう視点はまったく感じられなかったけれど。



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    Posted by surlie  at 10:57 │Comments(0)

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