2012年03月02日

阿部真大著『居場所の社会学』

昨年、自分の住んでいる自治体の計画つくりに参加したのですが、そこではさかんに「居場所」についての議論が行われていました。その「居場所」はどちらかというと、シニアや子育て中のお母さんが地域の中で集える「場所」の話だったのですが、この本でいう「居場所」は、「わたしはここにいて大丈夫なんだ」と思える承認の関係性の話でした。

本来、「居場所がない」というときは、物理的な場所の話ではなく、「居心地の良い関係」のことだったんだなぁと遅まきながら気づきました。

著者は生きづらさを乗り越えてサバイバルしていくために、「居場所に関する12の命題」という居場所論を展開します。なんだか堅い話のように思えますが、自分の子ども時代からの「居場所がなかった」体験が縷々述べられていて、そこから導き出された命題なので、説得力もあり、大変読みやすいです。

大事なことだなぁと思ったのは、居場所をいくつも持つこと。著者の命題によれば「居場所はその人にとっての”いのちづな”である」そうです。いのちづなは1本2本では不安です。家庭と職場だけに居場所を限定せず、また特定の居場所にはまりすぎることなく、第三の居場所をもつことが望ましいとのことです。

その他にもいまは絶滅しつつある「ヤンキー」の居場所論であったり、Jポップの30年を企業社会との関係から分析したり、とバラエティに富んだ内容で、大変楽しく読めたので、著者の他の本もぜひ読んでみたいと思いました。



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    Posted by surlie  at 08:15 │Comments(0)

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