2011年09月14日

『上野千鶴子に挑む』

『上野千鶴子に挑む』上野千鶴子さんと言えば、誰もが知ってるフェミニストの大御所。
彼女が有名になったことで、女性学、フェミニズムが認知されるようになったと言ってもあながち間違いではないと思います。
その上野さんが東京大学を退官するにあたって、千田有紀さんを始めとする弟子たちが師の業績に挑んで論文を書き、この本を出されたということです。

厚~い本で、しかも難しい話が多いので、まだ読み通せてはいませんface04
16人の弟子による論文は、バラエティに富んでいて、ジェンダー論、主婦論争、男性学、おひとりさま、ケア問題と幅広いです。今まで上野さんのもとで学んでいた弟子たちが、師匠が打ち立てた理論に果敢にも挑んでいるという印象です。
また弟子が書いた論文に、上野さんが返答するという作りになっていて、それも面白いです。

16人の論文のなかでわたしが気になったのは千田有紀さんの書かれた「『対』の思想をめぐって」と妙木忍さんの書かれた「主婦論争の誕生と終焉―なお継承される問い」。千田さんの論文の最後には「実際には主婦にはならなかった上野ではあるが、その問題関心はつねに、否定的にではあれ、主婦であることだったのである」とあります。
上野さんの研究はマルクス主義フェミニズムとか、ポストコロニアル批判とか、難しい話ばかりという印象もありますが、「主婦であること」に大きな関心を持っていたとは意外な気もします。
しかし、わたしが上野さんの著作に惹かれ、またこの本が面白いと思うのも、わたしもまた主婦であることに強くこだわっているからだと思います。

もっと時間をかけて読みこなしたい本です。




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    Posted by surlie  at 22:15 │Comments(4)

    この記事へのコメント
    上野さんは、退官されるんですね。

    昨年、小平にも話に来られました。残念ながらジェンダーの話ではなく「おひとりさま」の話でしたが、まだまだお元気でした。

    今後は、どんな活動をされるのか・・・まだまだ目が離せませんね!

    ご紹介ありがとうございました。でも、ボリュームのある本は、なかなか読めないかもしれません。
    Posted by タマヤータマヤー at 2011年09月14日 22:52
    タマヤーさん コメントありがとうございます。
    小平でも上野さんの講演会がったんですね~。
    武蔵野市にも来ていただきたいな~と思っています。
    HP講座で学んだことを忘れそうな、この頃。危険です(^^;)
    Posted by surlie at 2011年09月15日 13:13
    ご紹介くださった本、私も興味ありです。が、果して読破できるかどうか?

    先日、高円寺でのカチェルのお食事会でご一緒したメイたんのママです。

    私は一昨年の上野さんの講演を聞きましたが、創造していたイメージとは
    チョッと違いました。それは、テキパキとした歯切れ良さとユーモアを解する柔らかさを会わせ持った素敵な女性であるなあ~ということでした。

    私もまた主婦であります。難しいことはともかくも、引き出しをたくさん持った女性でありたいと常にアンテナは張り巡らしております。周りの環境にも大いに左右されて生きてきました。風にそよぐ柳のごとくです・・・でも、自身の本質は全然変わらないように思います。良いのか悪いのか?

    また、お会いできたら(^_^)/~
    Posted by メイたんのママ at 2011年09月17日 00:22
    メイタンのママさん コメント」ありがとうございます!!
    高円寺でご一緒しましたね!カッチェルの集まり、本当に素敵ですね。

    メイタンのママさんは、風にそよぐ柳のように、柔軟に周りの変化に対応して、でも自分を失わずに、日々過ごしてらっしゃるのだと思います。
    素晴らしいです!!

    シンシアさんを始め、わたしの周りには素晴らしい女性がいっぱいいらっしゃって、本当に感激します。でも、同時に、家族に病気でも介護でも育児でも何かが起こった時、ケアラーである女性がまず影響を受け、時には自分の生き方を変えていかなければならなくなるのはなぜなのか?そのことを考えてみたい、なんて思ったりします。

    またカッチェルでお会いしましょう♪楽しみにしています。
    Posted by surlie at 2011年09月17日 23:01
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