鈴木大介の本
『deaikeinoシングルマザーたち~欲望と貧困のはざまで』鈴木大介著
この本を手に取ったのは、女性の貧困について関心があったから。
(deaikeinoと書きましたが、本当は漢字+ひらがな表記。このブログではこの言葉をその通りに書き込めません!誤解されるような用語は使わないということでしょうが、不便です…。)
読んでみて思ったのは、今の世の中、持ってる人は何もかも持ってる。持っていない人は何も持っていない。それどころか、アンラッキーなことが「これでもか!」というくらい重なる。そこには暴力があり、貧困があり、うつ病などの病気があり、教育の欠如があります。そして、一つ躓くと、負のスパイラルのように、悪いことがどんどん重なり、リカバリーできないようなシステムになっているかのようです。
さらに、この本に出てくる母たちには最終的なセーフティネットである「帰れる実家、頼れる親・親族」がありません。「絶対的に持たざる者」のどうしようもないような孤独と寂しさが、経済的困窮とともに、deaikeiに向かわせている理由だと著者は書いています。
「育てられないくせに子どもを産んで」という批判はあるでしょうが、子どもを育てることを母親だけに背負わせている社会のあり方が問われているのだと思います。例えば、フランスのように、シングルマザーでも子どもが育てられるようにさまざまなサポートがあり、またシングルマザーへの偏見がない社会であったなら、どんなに生きやすいし、また子どもも増えるのではないでしょうか。
鈴木大介さんの本は今後も注目したいと思います。
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