「認められたい」という気持ち

surlie

2011年10月07日 08:22

昨日、友人とお茶を飲んでいて、
「社会生活の場面が少ないからか、主婦は”認められたい”という気持ちが強い人が多いよね」
という話になった。
わたしの世代ならば、女性だって高い教育を受けているし、会社で働いた経験のない人は稀だ。
社会の中で働いていれば、バリバリ活躍して、自分の能力を認めてもらうチャンスもあっただろうに、家庭に入って家事育児にかかりきりで、気がつけば誰にも評価してもらえないし、認めてもらえない。そんな思いを持つ人も多いかもしれない。

何か月か前に、精神科医齋藤環さんの講演会に行ったが、齋藤さんはこの「承認欲求の強さ」は女性だけのことではなく、社会現象であると言っていた。マズローの欲求の三角形の図を示して、「いまや生理的欲求や安全の欲求と同じレベルに、いやそれより先に承認の欲求があるのではないか」というようなことをおっしゃっていた。贅沢をいわなければ食べることにも困らないし、身体を脅かされるような状態にもない。そんな状況では、まず人に認めてもらうことが最も重要で切実な欲求になっているのだ。
つまり、人に認めてもらうことしか、自分の存在を確認できないのだ。

そう考えると「認めてほしい病」にかかった人の多いこと!
身近に、ある分野でそれなりに認められている女性がいるが、彼女はいつもいつも「もっと認められたい」「わたしは正当に評価されるべきだ」という負のオーラをまき散らしている。外から彼女を見ていると、「人に認められなければ辛い」という状況は、実は「自分はもっとすごい人間なのに…」と思いつつ、自分自身が自分を承認できていないように思える。
つまりプライドは高いのに、実は自己評価は低いということかもしれない。

かくいうわたしも週に3日パート勤務の兼業主婦。わたしも「自分はかなり能力が高いし、もっと(世の中に)認めてもらっても当然なのに…」という痛い思いは持っている。そんな思いが自分をいろいろな市民活動に駆り立てているのかもしれない。「認めてほしい病」、気をつけないと、自分自身を見失うことにもなりかねない。自戒したい。

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